『アルファからオメガまで』
 ――はじめから終わりまで。
 人類はそのはじめをそうとは知らなかったろうし、その終わりもおそらく認識できない。
 人類が宇宙へ散らばりきった後では、尚更。
 あるひとりの人間が孤独の中に死にゆこうとするとき、それが人類の最期だと彼が知るすべはない。
 わたしはこの星の最後の人類だが、この宇宙の最後の人類かはわからない。わたしにも、誰にも。
 人類は、今もこの宇宙のどこかでその営みを続けているだろうか。
 わたしが送り出した彼らはわたし以外の人類に出会うだろうか。
 それまでに彼らはどれくらいの旅をするのだろう。
 おそらく、わたしが生きているうちに彼らはここへ


第一章