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短歌

twitter・noteからの転記など

2022年

この日々も、いつか振り返るときには後悔の濃いものになるのか
(20220119)

「嘘だって」言った君の右の眉がぴくと動いた
今のが嘘だね
(20220322)

まだそんなところなんだねこの世界 牛歩の方がずっと速いわ

風の通り道もない癖に誰かが決める追い風参考記録

知らぬ間にどこかの誰かが決めてしまう わたくしのこの痛みでさえも

(20220624/#安牌短歌)

2021年

これを見てる人に訃報は届かないことを思うと少し気が楽
(20211205)

君が生きているのを観ていることで僕もなんとか呼吸ができる
(20211130)

またいつかなんて望みは抱かずに
星の間を漂う僕ら

一瞬を永遠にしたい欲深き者だけが見える光もあるさ
(20210414)

一の位変われば何か変わるように思っちゃうけどそんなことない
(20210101/「ように」の意で音としては「よに」にしたい、でも「よに」って書くとわかりにくくない?という悩み(?))

2020年

あの人を売ったお金でこの人を買えるわけじゃない
値段が違う
(20201124)

ありふれた世界だなんてそりゃそうだ
僕らはそこで今日も生きてる

君の一番になりたいわけじゃない
君に一番でいてほしい。
(20201027)

これからをわたしが観なかったとしても
あなたはどうか幸せでいて
(20201011

リロードでいなかったことになる世界
記憶もいつか煙と消える?
(20201004

幻を覗き込んでいるみたい
手の中の窓 遠くの世界
(20200929/20201001スペースを半角→全角)

いつ振りか、出会ってしまった 強烈に
圧倒される 声、形、光
(20200928

いつだって好きだと信じていたんだが
今はとにかく距離を稼ごう
(20200924)

わかってる
澄んだ人が生きられない
世界の方がきっとおかしい
(20200901/20201001きれいな→澄んだ)

暗闇で手を伸ばすなんてできなくて
ただ縮こまって眠りを待つの
(20200829)

僕の中流れる文字の連なりがいつかきみまで届いたらいい

息をつく隙間をいつも探してる
見つからなくて今日も眠れない
(20200629)

どこまでも行けると思えたことなんて一度もなくて蹲ってる
(20200608)

めんどうなことが降ってきて思わず転職探す
猫になりたい
(20200528)

きみが僕を殺したくなったときすぐに
そうできるよう今ナイフをあげる
(20200524)

テセウスの船ならいつの日かきみに会えたわたしは
誰なのかしら
(20200429/文芸リレー 朝凪空也さんより
「キングギドラ・メカキングギドラ・メカゴジラ
生きるってなに
テセウスの船」)

どうせなら思い出にしてしまいたい
いつか彼方で笑ってあげる

いつかまた会えるのかしら
そのときにわたしはどんな顔するかしら

昨日はね、ツバメを見たよ。もうそんな季節なんだね絶望するね
(20200425)

三度目の雪はびしゃびしゃうるさくて
積もるほどでもやっぱり避寒地
(20200329)

ヒトの後の何者かが人類を発掘して言う「野蛮な種だ」と

避寒地に今期二度目の雪、大阪は雪降らぬと言う君思う
(20200316)

五七五七七 リズム軽やかで ステップ踏むよに絶望も歌える
(20200207)

不揃いな秒針たちに急かされて心臓はきっと長持ちしない
(20200206/『零時がきたら日付はかわる』の数首から自分の心臓を連想して)

帰るなりパソコン開く
細々と無為を重ねて保てるこの身
(20200202)

2019年

この夜にあなたが触れた場所全部シャワーで流してなきものにしたい
(20190727)

そんなもの 些細なことよ、わたしには
あなたがいなくても死にはしない
(20190306)

同じ空の下生きてるので、幸を祈ることなら僕にもできる
(20190113)

2018年

放課後に彼氏のとこへ行くはずのきみが振り向き
わたしに笑う

「クリスマス」
屈託なく笑うきみが手渡す包み、水色リボン

どうせまたあいつのついでに買ったのにちゃんと
わたしの好みで憎い

「いらないよ」笑って言ってみせたのに
きっと捨てない自分が憎い
(20181226/ペーパーウェル#01「贈る・包む・添える」)

きみがきみがきみがと好きを言い募り
すべてをきみの所為にしている
(20181117)

星にも展開図にもなれない僕ら
見上げ続けて地上が揺らぐ
(20180914/短歌ハッシュ9月号「図形」)

この声が聞こえないならそのままで
どうか気づかず歩いていって
(20180813)

この線は何にもならず伸びていく
何も歌えず歪んでゆくもの
(20180520)

君がいた景色を脳裏に押しやって、
君のいない景色を眼に焼き付ける

ただ少し時間と言葉がほしいだけ。
いつか全部飲み込んでみせるから
(20180331

ハローハロー 何光年かかるかわからないけれど
今君に会いに行くよ

何万年経って光が届いても私の欠片を探さないで
(20180303)

その先へ届ける祈り 歌声
闇を拓いて空が広がる
(20180224

彼方へと飛び立つ皆が眩しくて
それでは僕はどこへ行こうか
(20180217/短歌ハッシュ2月号:イラストのイメージもしくは「群」)

2017年

ひらひらときらめく裾をゆらめかす君を海の底まで観てたい
(20171223/短歌ハッシュ8月号「海」または「みる」(詠み込み不要)

横たわり、疲れたと零す背骨を指で数える午前一時半

くすぐりには弱いと思ってたのにな。身じろぐこともしてはくれない
(20170910)

熱狂の手触りとともに春が終わる
いつかの夏を夢見るみたいに
(20170615

独りなら濡れずに済むのかもだけど独りじゃ相合傘はできない
(20170615

人は所詮独りなのかもしれないが傘を差しかけることはできる
(20170615/

あたたかさもあの夏の冷たさと同じく教える
これは人の手
(20170615

6本の道が交わり星になる
さあここからどう輝こうか

最高のワイルドカードを手に入れた僕ら何だってできるさ
(20170615

「大人」だと言った君がこの中で一番の童顔の持ち主
(20170615

君が言うあの人の声、眼差しは遠い異国の夏に似ている

遠く翳む君の言葉で浮かぶ夏
僕の知らない色をしている

言葉を連ね君はふらふら異国へと
織られる景色は僕には見えない

教室で君が嘯く異国語をいつのまにやら僕が呟く
(20170507/そんな夏など僕は知らない)

その曲にその振付に選ばれたことが教える
「独りではない」
(20170406

その位置が探しやすくなり気づく
それがきみの選んだ場所だと
(20170405

死のうかと笑った君は駆け出して
僕を置き去り花と紛れる
(20170317/#君・僕・死で文を作ると好みがわかる)

女だと知らしめる如く塗りつける
あかは血の色 唇の色
(20170305)

2016年

ふたりでもひとりと同じとそう言って、きみは笑って僕は動けぬ
きみのそばへ行けない僕を嗤うよに きみの隣で秋風が鳴る
(20161031)

濃紺を塗り込めた空のこの夜はいつか過ごしたあの海の底
(20161023/『無何有の淵より』感想)

何事も「どうでもいい」と言い捨てる君は彼には何を見てるの?
(20161008

青白き 透けるようなその肌の下を流れる血も赤いのか
(20160913)

白い空 いろいろな声が飛び交う
明けゆく町は鳥たちの国
(20160523)

友来たり 緑の狭間で花咲かす
夏が近づくレモンスカッシュ
(20160522)

晴れた日に平服で行く墓参り
空をゆらりと飛行船行く

青葉繁り、墓所の木には白き花
道の花見て春と知るかな
(20160430)

君の目に映る未来を観たかった
今はその影、遠く眺める
(20160429

板の上
色を変えゆくその声が 見せる景色を、もっと見せてよ
(20160424

その腕が抱え込んだは 目に見えぬ
心の翼か 夢の卵か
(20160414

遠くなる君の視線のその先は
追いかけなくても、きっとあの子ね
(20160411)

「君が好き」 言ったそばから はじけてく
聞き返す君も ソーダ水越し
(20160408)

君がため 惜しからざりし命だと、いってしまった
いてほしかった
(20160404)

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